弁護士法人英明法律事務所の事務所報『Eimei Law News 』より、当事務所の所属弁護士によるコラムです。

弁護士による訴訟活動について

 ---- 弁護士が訴訟で行う活動とは、概ね、以下のようなものです。

  中小企業法務研究会 訴訟戦略部会 弁護士 笹山 将弘 (2014.02)

1 裁判所への提出書類の作成

裁判では、通常、当事者が主張する内容を書面にして提出します。そのため、弁護士には、書面の作成技術が求められます。ここでの作成技術とは、書面に記載した内容自体の正確性や妥当性等に加え、論理性、説得性、読みやすさ(日本語能力)、書面提出のタイミングなどの戦略的な考慮等、多岐に渡ります。

2 証拠の収集、作成

主張を裏付ける証拠の存在がなければ、勝訴することはできません。 証拠には大きく分けて、既に存在している証拠、これから作成する必要のある証拠があります。 前者には、どのように収集するかという、証拠収集のノウハウが必要となります。後者には、どのような証拠をどのように作成するかという、証拠作成のノ ウハウが必要となります。証拠はあるものを全て出せばいいというものではありません。訴訟の行く末を見据えて、勝訴 に必要十分な証拠を厳選する能力も必要となります。また、証拠の提出時期や提出の方法等、その証拠が最大限効力を発揮するような「出し 方」も検討する必要があります。

3 裁判時の立ち振る舞い等

弁護士に特別な能力ということではありませんが、裁判での言葉遣い、発言の際の姿勢、声のトーン等も重要な技術の一つです。 裁判も、当方が望む結論に達するための裁判所に対するプレゼンテーションであることを意識することが重要です。

4 尋問技術

裁判の山場は、証人や当事者本人に対する尋問です。尋問というのは、証人や当事者本人が、裁判所で、直接自らの口で、自らの体験を述べる機会のことです。この結果が裁判の結論に直結 するといっても過言ではありません。近年では、これまで一種の職人芸のように捉えられていた尋問技術を解説する試みが盛んになっています。

5 交渉技術

民事裁判では、当事者が主張立証を尽くした結果、和解協議に入ることも少なくありません。そのため、裁判においても、有利な和解を勝ち取るための交渉技術が必要となってきます。

今後、訴訟戦略部会では、 弁護士による訴訟追行活動の質的向上を図るため、以上のような訴訟追行上の技術の修練に役立つ研究を予定しています。